Cubao Expo

日本の高度経済成長期も、このような風景が広がっていたのか
ヘルメット知らずの作業員の手によって、ビルがニョキニョキ生えてくる

マニラは街が若い

毎年来るたびに新しいマンションが建ち、都市高速道路が伸びており、目下は地下鉄やLRT新路線の工事現場から、昼夜を問わず鎚の音が響いてくる

日毎に、海岸には矢板が打ち込まれて土砂が充填され、鉄骨で組まれた脚柱や橋梁にはコンクリートが充填されていく

今年の高速道路Skywayの第3区の竣工により、マニラ市街を南北に高速道路が貫くことになった。それまでマニラの南端と北端が終点だったSLEXとNLEXを接続したことにより、市内の渋滞も緩和され、南北移動が大幅に短縮された

しかもこの区画の建設はODAではなく、国内企業が主導した点も特筆すべきだろう

 

ただ、開業したてのホテルの客室から下を見ると、ホテルの朝食会場の庭の垣根のすぐ向こう側は、いわゆるSquatterの生活が繰り広げられていることがわかる

狭く密集する木材とトタン屋根で構成された街区には、バスケットボールコートが設けられ、夜遅くまで子供がボールをパスして遊んでいる

密集地にもバスケコートを整備する都市計画に注目されたい
避難場所にもなりえるし、またどこでも娯楽が不可欠であろう

他方でショッピングモールは22時まで電飾が煌々と営業しており、今では停電することもなくなった

進行する都市化と、それに抗うかのように、線路や小川沿い、ビルの狭間で生きている人々もいる

夜、ショッピングモールから漏れた光の中でおチンチン丸出しで小さな白い花を売る5歳児を見るや、また常に揺れ続ける歩道橋の上でマスクを売る少女を見るにつけ、つい50ペソ札を渡してしまう

私にとっての50ペソと、今の彼ら彼女にとっての50ペソとでは、どちらの方が価値があるだろう

 

休日にマニラ郊外のBalagbag山に登って(航空写真で見つけた適当な尾根を登っていたら、峠の小屋の警察官に怒られた話は別で話そう)、一息ついていたところ、何台ものランドクルーザーやランドローバーがやってきて、なかからイケイケの(露出度高めな服装をした)若者男女が下りてきた

 

何やら見ていると、給仕と思われる人たちが炭を熾してバーベキューの準備をして、穴を掘ってテントで囲っては即席便所まで用意している

車で山頂に乗り付け、マニラ市街を一望しながら冷えたビールを楽しむ若者もいれば、コロナによるマスク着用義務期間中に未着用の通行人を見つけては警察に突き出すと脅して、罰金より小さい金を揺する若者もいる

因みにこの国の平均年齢は23歳ほどである

 

大都市ともなれば文化の度合いも高く、Antique店も存続できるようだ

飲み屋、バーに加えて、古物商が三件ほど軒を連ねる一角、Cubao Expoを友人に紹介してもらう

日が暮れるとバーは賑やかに、他方で古物商は店仕舞いとなる
ショッピングモールでは見ない輩が集まっているこの街区が良い

MRT3号線のCubao駅から東方に、複数のショッピングモールを通り抜け、General Romulo Avenueを渡ったところにその一角はある

私はその昔、街灯に使われていたという国産の、金属製の電球の傘を購入する

 

同じGeneral Romulo Avenueを挟んだ向かいにも古書を中心とした骨董店がある

また、付近のAli Mallの二階にも”REMNANTS”や、”Guiller's”という名の古物商やレコード屋が立ち並ぶ区画がある

二つの店舗は隣り合っている

REMNANTSでは、Essoの全国道路地図を購入する

古物商に出入りするのは、若い顔ぶれでなく、古い人ばかりだ

マニラは人が若い