Amcorp Mall

コロナの影響を受け、SafeTravelの仕組みを用いてマレーシアに入国するには、二週間以上前に旅程を申請せねばならぬ

旅程の中には、移動手段(公共交通機関は禁止)、投宿先、移動時間、会合場所、面会相手の氏名や連絡先を記載してから渡航許可を得る必要がある

空港ではPCR検査して、検査結果が出るまでターミナルで3時間ほど待機させられる

話を聞くと、イギリスやロシアから商談の為に渡馬したようだ。ターミナルの一角が即席の待合室となっている。弁当や菓子、コーヒーも提供される

陰性であれば(陽性なら再検査の後、隔離施設へ)入国できるが、すると、政府が指定したアテンダントが待っている

今回は、旅程に沿って行動する必要があるため、彼女はそれを監視する

朝はホテルから、夜にホテルに戻るまで付き添っている。昼食も一緒に取る

どうやら減便したマレー航空のCAが担当しているようだ

一度、地方都市で彼女と屋台飯を食べたとき、「日本はG something rich countriesなんでしょ、マレーシアに対する国際協力をするけど、実際のところどう思ってるの(G20 やG7を指すと思われる。Global Southを見下してるのか、といった質問のようにも聞こえた)」と聞かれた時には意表を突かれた

 

それはさておき、外国では古物商や古本屋を見て回ると、その土地で使われていた食器や地図やなんかを掘り出すことができ面白い。博物館の蝋人形が身に着けていた装飾具や鞄等が見つかるとつい手にしてしまう

もちろん旅程にはないが、日曜日にAmcorp Mallに足を運ぶ

 

クアラルンプールの西郊、ペタリンジャヤに、連邦高速2号線に面してAmcorp Mallと呼ばれる鄙びたショッピングモールがあり、そこでは隔週日曜日に骨董市が開かれる

これは2年前、2020年3月だったか、コロナが流行しだして、マレーシアでは日本人が避けられていた(当時は日本での感染者数が東南アジア諸国のそれを上回っており、握手を拒否されたり、約束もすっぽかされた)頃に、Masjid Jamek近くのインド人街にある古くて薄暗いモールの二階のレコード屋で仕入れた情報だ

 

これをアテにして、のこのこやってくると、地上階と、吹き抜けとなっている地下では、骨董市が開かれている

こういった、前世紀に建てられたであろうショッピングモールは、どの国でも大抵の場合、紫外線防止だろうか、色付きの、そして埃まみれのガラスが張られている。両替商(閉まっていることが多い)や土産物店(マグネットの他、民芸品もある)や生地店(布には地域性が現れる)、文具店(現地語/通貨が記載の新品の領収書束は買ってしまう)、雑貨店(made in Chinaの色とりどりなプラスチック製玩具)が軒を連ねる

骨董市はというと、個人商店がざっと30店舗くらいはあるだろうか。地下には常設の古本屋や家具屋も立ち並んでいる

16時過ぎには店仕舞いが始まる
機械式時計なんかは人気のようで、おじさんが群がっていた

眉唾ではあるが、マレーの諸王が持っていたとされる、儀式用だろうか、波型の刀剣類、銀食器や擂鉢、またはレコードなんかが出品されている

結局ここではEssoが発行した60年代のマレーシア全土の道路地図、また同年代の中国共産党発行のプロパガンダ満載のマガジン、78年製米国Gillette両刃剃刀を購入

Essoは油売りではあるが、交通量促進のためか、道路地図を発行していたようだ

 

Antiqueとしての骨董市が成立するのは、Rich Countryの証なのではないか、と、アテンダントの彼女に伝えたくなった